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久々の更新です。 今回は、以前から考えていた「特捜戦隊デカレンジャーが成功した訳」をお送り致します。 マジレンジャーが始まる前にと思い、下書き・推敲なしで書き上げたため、仕上がりが納得いくデキではないのですが、いずれ改めてまとめ直そうと思います。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2月6日に最終回を迎えた「特捜戦隊デカレンジャー」。この番組は主題歌が特撮ものとしては異例の大ヒットを記録し、番組にも、放映後に新規のスポンサーがつくなど、戦隊シリーズとしては過去最大の人気作となった。しかしなぜ、毎年ある戦隊シリーズの中で今回だけが、こんなに人気を得たのだろうか。 1:2種類のジャンルの融合 ある程度特撮を見ている方ならご存じの通り、戦隊ものは「○○戦隊」と頭に単語がつく。これが、その年の戦隊のモチーフとなる訳だ。レスキューものなら「救急戦隊」忍者ものなら「忍風戦隊」という具合に。 ところがこのモチーフは、実際の番組に生かされていないことが多いのである。せいぜいが、主要キャラクターの描き分け(イーグル、パンサーなど変身対象の動物によって違いを出す)・乗り物、ロボットのデザイン(モチーフが神話なら、竜などが合体してロボットになる)という程度のものである。 言い換えれば、例年の戦隊物は「モチーフが変わっただけで中身は一緒」だったとも言えよう。 それを打ち破ったのが今回の「デカレンジャー」である。本作は「特捜戦隊」という名の通り、刑事物がテーマであった。普段ならパトカーがロボットになったり、小道具が刑事物になる程度で終わるのだが(無論、この辺りは例年通りにあった)、今回はよりテーマに重きを置いて制作したのである。 そのもっとも象徴的なのが、敵を軍団にしなかったことだ。 「戦隊もの」といえば悪の軍団が登場し、地球を支配しようとたくらむ、というのがお約束だったのだが、今回はその軍団を廃止。デカレンジャーの敵は地球に住む犯罪者という、日常的なものになったのである。 「組織」でなくなったことにより、敵にはお約束という束縛がなくなった。これにより、今までの戦隊物に慣れていた視聴者に対し、まったく新しい話を提供することができたのである。 なお、警察という実在の組織をモチーフにしたことで、事件の種類も多用かつリアリティがあったことも付け加えておく。 2:入念な登場人物紹介 デカレンジャーはスタート時5名。これに署長であるボス、メカニックのスワン、そして途中でメンバーに加わるデカブレイクを入れた8名が「デカレンジャー」の主要メンバーである。 この8名のキャラクター、これがもう一つのヒットの理由である。 番組スタート直後の「デカレンジャー」は、メンバーひとりひとりを描く事に最も力を注いでいた。5人いるから5人とも活躍させようというのではなく、この話ではレッドを、次の話ではブルーを……といった具合に、30分を一人だけのために費やしたのである。 これは、番組が1年通して放映されることを考えると、実に効果的だったと思われる。序盤に登場人物の紹介を丁寧にしておけば、後半は見ているこちら側も、おそらくは脚本を書く側も、「このキャラクターはこう動く」とリアルに想像することができるからだ。そしてそれは、視聴者にとては感情移入にも繋がったと考えられる。 この人物描写は徹底していて、新メンバー・デカブレイクが加入したときも、およそ1カ月かけて、「デカブレイクからみたデカレンジャー」を描き続けた。その結果、デカブレイクがメンバーに入ることに違和感を感じなくなっただけでなく、「デカブレイクとデカレンジャーの関係性」も頭に入れる事ができたのではないだろうか。 (もっとも、ここは少し足りなかったように思える。「デカレンジャーから見たデカブレイク」という話がなかったため、どうにもひとりだけ浮いているように見えたのだ。第48話「ファイヤーボール・サクセション」のような話がもっと早くあれば……と思ったのは僕だけだろうか) さらに、登場人物ひとりひとりに、決まり文句や習慣を用意したのも良かった。それもコンビのレッドとブルーには掛け合い漫才、頭脳派のグリーンには考えるときのポーズと、それぞれの立ち位置に繋げる事で、「本人の見せ場=いつものアレ」という構図に仕上げたのはお見事だったと思う。 ほかにも細かいところでいくつも挙げたいのだが、今回は割愛しておく。 最後に。 「特捜戦隊デカレンジャー」は「戦隊ものといえば」という決まり事にこだわらず、「このテーマで作品を作るのならば」という、スタート地点をしっかりと見据えたことが、例年にない作品作りに繋がったように思える。 この成功を新たなスタート・スタンダートとして、13日からの「マジレンジャー」も戦隊もののお約束にこだわらず、新しい楽しみ方を提供してほしい。
by tatibana_m
| 2005-02-11 23:58
| 特撮
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