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すっかり定番となった、加藤元浩のミステリ漫画同時発売です。 最近では、作者コメントの部分を同じテーマにするなど、作者も同発を意識した作りになっていますが、今回はその作者コメントにひと工夫がありました。 (以下ネタバレ) 『Q.E.D』では奥さんがほしがっているものを聞き間違えて失敗した話、『C.M.B』では携帯を持っていなくて担当を唖然とさせた話が載っているのですが、実はそれがそのまま、本編の謎を解くヒントになっていたんです。 雑談のように見せかけて、2度目以降に読んだときにあっと思わせようという狙いだったんでしょうね。 思いっきり引っかかってしまいました。 以下、各作品の軽い感想です。まずは『Q.E.D』から。 「クリスマスイブイブ」 日常の謎系にして、本作の十八番「同時多発した謎を一気に解決」というものです。 「ウナギだって焼き鳥だって『炭火焼き』って言われたら美味しそうでしょ!」と語った次のページに、『炭火焼き」と書かれた看板が出てきたのが面白かったです。 落ち込むカラオケボックス店長に「猫好きで……」と励ます場面、それまで猫の話は一度も出てこなかったので「?」だったのですが、店の名前が「MIKE HOUSE」だと気づいた瞬間「やられた!」と思いました。 カラオケボックスで「MKE」と書かれていたら「マイク」だと思いません? 注意して読むと、店名が不自然なぐらい出ているんですよね〜。悔しい。 「罪と罰」 近所の連続窃盗犯に便乗して、金を盗もうとした男。しかし思わぬトラブルが発生し…… めずらしく、主人公の燈馬がいなくても成立する話です。 必要最低限のことしか語らないようにしている男と、その男から多くの情報を引き出そうと仕掛ける刑事のやりとりは、緊迫感があって良かったですね。『コロンボ』や『古畑』を彷彿とさせました。 続いて『C.M.B』 「青いビル」 月刊少年マガジンに掲載されたときは前後編に分かれており、読者向けの真相当てクイズがついていました。 『金田一少年の事件簿』では結構正解率高かったんですけど(プレゼント当選率は0%)、これはさすがに立ち読みでは無理でしたね。 謎解きの部分は、若干絵的にわかりにくかったのが残念です。あのシーンだけカラーページにできたら面白かったのですが。 副題の「Blue building」は、文字の配列、言葉の響きともにかなりのお気に入りです。 「呪いの面」 この話、『Q.E.D』版も作ってもらえないですかね? 燈馬は「呪いなんて存在しない」と言うでしょうから、きっと印象が全然違ってくるはずです。 作品のレベルは高いと思うのですが、唯一しっくりこないのが事件の背景の部分。 いかに評論家でも(とくに日本人なら)「どうしようもない」「才能のかけらも感じさせない」というコメントは使わない気がしますし、なぜ安房が、そこまでして山岸を潰したかったのかもわからないです。 (「気に喰わん奴だった」というセリフがありますが、あれだけだと山岸個人を潰した理由としては不十分だと思います) 殺害動機、トリックともに好きなだけに、よけいその部分が気になってしまいました。
by tatibana_m
| 2006-05-18 13:58
| マンガ
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